生後6ヵ月で正義感が。京大がアニメ実験で解明

赤ちゃんも「正義の味方」を好むの?

弱者を助ける正義感が生後6カ月の赤ちゃんに芽生えていることが実験によって明らかになったと、京都大学の研究チームが発表。論文が英科学誌「Nature Human Behaviour」(電子版)1月31日号に発表され、人間が正義の味方に共感する理由の一端が明らかにされました。

京都大学の研究チームは過去にも生後10か月の乳児に思いやりの心が芽生えていることを明らかにした研究を、米科学誌「PLoS ONE」(電子版)2013年6月13日号に発表しています。

人間の持つ「正義感」ははたして生まれついてのものなのか、何歳ぐらいで芽生えるのか、その後の教育で学習されるのか、などについてはこれまで明かになっていませんでした。

そんな中、研究チームは生後6カ月の乳児計20人(男女10人ずつ)を被験者にした実験を実施。相手を追い回して攻撃する攻撃者、攻撃されて逃げ回る犠牲者、攻撃を見て止めに入る正義の味方、攻撃を見ても何もしない傍観者の4種類のアニメキャラクターを作成。攻撃者が犠牲者を追いかけ回して攻撃するアニメ映像を被験者に見せた後、正義の味方が助けに入る映像と、傍観者が何もしない映像をそれぞれ被験者に見せました。

そしてその後で、助けに入った正義の味方と何もしなかった傍観者の2体の人形を被験者たちの前に置いて、どちらに手を伸ばすかを観察しました。

正義への憧れは天性。いじめ理解のヒントに

実験の結果、被験者20人のうち17人は助けに入った正義の味方の人形を選びました。

また、研究チームは被験者が色や動きへの好みなどで人形を選ぶ可能性も考慮に入れ、色や動きを変えたアニメ映像を見せる実験も行いましたが、同様の結果が得られたといいます。

研究チームではこの結果について、弱者への攻撃を止めた正義の行動に乳児たちが共感したことで、人間には生まれながらに正義感が備わっている可能性が示唆されたと分析。 そして「いじめ」については、人間は学習しないでも生まれつき正義の行動に共感する感覚を持っているものの、育つ中で暴力的なシーンを見ることなどで次第に性格が変わっていじめが起こるのではないかと推察。今回の結果がいじめのメカニズムの理解や解決につながる可能性を述べています。