歯がない高齢者は抑うつリスク上昇

なぜ歯がないとうつになりやすいのか?

高齢者で歯がまったくない人は歯が多く残っている人に比べて「抑うつ」になるリスクが高くなることが神奈川歯科大学などの研究で明らかになりました。

神奈川歯科大学などの研究チームは、65歳以上の約1万4000人を対象に歯の健康と精神的な健康の関係を調査。その結果、「歯がまったくない人」は「歯が20本以上ある人」に比べて気分が落ち込むなどの抑うつ状態になるリスクが1.28倍高いことが明らかになりました。

また、「半年前に比べて固いものが食べにくくなったと感じている人」は抑うつ状態になるリスクが「そうでない人」に比べて1.24倍高いことも分かりました。

歯が抜けてしまう原因としては虫歯や歯周病などが考えられますが、なぜ歯がない高齢者はうつになりやすいのでしょうか?

思うように噛めないストレスが原因か?

歯が抜けるとさまざまな体への悪影響が出てきます。

まずうまく噛めなくなるためにむせやすくなったり、胃腸への負担が増して消化不良になったり、姿勢も悪くなります。さらに噛むことが減ったことで顔の筋肉が衰え、しわやたるみが増えて見かけ年齢が上昇。噛むことによる脳への刺激も減って、認知症になりやすくなります。また、かみ合わせが悪くなることで頭痛や肩こりを感じたり、左右のバランスが狂って転びやすくなったりします。

なにより問題なのでは心への影響です。食事や食卓の楽しさは人間に喜びを与えて心の活力になり、生活を充実させてくれます。とくに高齢者にとっては、食事は貴重な楽しみの時間で、生きる幸せを支えくれます。

ところが、せっかくのお食事タイムも歯を失った人はうまく噛めないために思ったように食べられず、知らぬ間にストレスが溜まってしまいます。くわえて、上記のような体への悪影響によって身体から来るストレスも増すことで、抑うつリスクが増してしまうのです。