非正規社員のメンタルヘルス格差が深刻化

リストラや生活の不安でうつ病に

近年の企業組織の合理化により派遣社員や契約社員などの非正規社員は増加する一方で、現在では1700万人以上にも達するといわれています。そんな中、非正規社員と正社員の待遇格差が問題となっているばかりか、最近ではメンタルヘルスにおける格差も深刻化しています。

労働現場においては派遣や主婦パートなどの非正規社員も、最近では正社員とほとんど変わらない仕事を任され、正社員なみの過酷さやストレスに曝されています。さらに、低賃金にくわえて正社員になれる望みもなく、リストラの不安や生活苦に苛まれる中で、うつ病をはじめとする精神疾患を患うケースが増加。頭痛、睡眠異常、ホルモン異常など、中には自殺に追い込まれるケースまで報告されているのです。

しかし、健康保険組合の加入者は保険料を1年以上継続して支払っていれば精神疾患で休業しても傷病手当金が支給されるもののが、非正規社員の多くはこの条件を満たしていないため受給資格がなく、正社員とのメンタルヘルス面における格差が広がっています。

中小企業ほどメンタルヘルスに格差が

また、本来なら適切な精神科の治療や十分な休養が必要な非正規社員ですが、いつリストラされるか分からない身では、病院へ行くことをためらう人が多いのが現状となっています。

わが国のすべての労働者は労働基準法や労働安全衛生法で守られていますが、実際の管理は現場任せなのが実態で、厚生労働省によるパート労働者に対する大規模調査(2014年)では、定期健康診断を受診したパート労働者は従業員300人以上の事業所では82.2%だったのに対し、49人以下の事業所で57.9%。パートの健康管理規定を整備している事業所も従業員300人以上の事業所では74.4%だったのに対し、49人以下の事業所では53.1%とこれまた小規模の事業所ほど低くなっており、企業規模による格差が深刻です。

さらに、上場企業でメンタルヘルス対策を行っている企業を調べた調査では、正社員に対しては98%だったのに対し、契約社員にも行っている企業は48%、派遣社員に対しては25%と低い数字になっており、パートについては健康診断の対象から外されるケースがほとんどと言われるなど、非正規社員と正社員のメンタルヘルス格差は深刻化するばかりです。