絆や愛の脳内ホルモン「オキシトシン」に注目が

「幸せホルモン」セロトニンの作用を強力に促進

脳内神経伝達物質「セロトニン」は幸せホルモンとも呼ばれ、ストレスの緩和や安心感、幸福感、覚醒などにかかわるホルモンとして知られています。

そんなセロトニンの作用を強力に後押しする物質が最近注目を浴びています。「オキシトシン」という脳内ホルモンです。近年のさまざまな研究によってオキシトシンが人間のコミュニケーションに大きな役割を果たしていることが明らかになったことで、にわかに注目を浴びているのです。

オキシトシンにはセロトニンの分泌を促進してストレスを和らげるとともに、心機能を向上させて心拍数を抑制。血圧を低下させてストレスホルモンを減らすことで、ストレスを軽減する作用があります。

その結果、オキシトシンは心を癒して安らぎを与え、幸せな気分にしてくれます。さらに、不安や恐怖心を弱めてくれる作用もあり、ほかの人間に対する不安や恐怖心を和らげることで、相手に対する好奇心が高まって社交性が向上。相手への信頼感が増すことで、家族や恋人、友人などとの愛情や絆が深まります。

こうした作用を持つオキシトシンは自閉症やアスペルガー症候群などのコミュニケーションが苦手な人の症状を改善させる初の治療薬になるのではないかと期待されているのです。

スキンシップやマッサージなどで分泌促進

オキシトシンには、学習効率や学習意欲、記憶力などの向上、痛みの軽減、感染症予防などといった作用もあります。

こうしたよいことずくめのオキシトシンですが、その分泌をどうしたら促すことができるでしょうか。

オキシトシンが分泌されるには、まずはスキンシップやマッサージなどといった肉体的触れ合いが有効です。相手が信頼できる人なら見つめ合うだけでも分泌され、団らん、おしゃべり、会食、カラオケ、プレゼント、ペットとの触れ合いなどでも分泌が促進されます。

家族や恋人との触れ合いが多いとオキシトシンが分泌されて心地よさを感じることができるため、幼児期に家族との密接な接触によってオキシトシンが多く分泌された経験を持つ人は大人になってもストレス耐性が高いという研究結果も報告されています。

さらに、肉類、乳製品、魚介類、大豆などのタンパク質系の食材もオキシトシンの分泌を促してくれ、ドーパミンやβエンドルフィンなどの幸せ系脳内伝達物質によってオキシトシンの作用が持続することも分かっています。