イクメンはご注意!男性にも「産後うつ」が

産後に父親の3割がうつに。「パタニティ・ブルー」って?

出産は人生でもっとも幸せな出来事の一つですが、お産の数週間後から原因不明のうつ症状に悩まされる母親が多く、「産後うつ」(一過性の場合は「マタニティーブルー」)と呼ばれています。

ところが最近の研究で、父親となった男性にも同じようなうつ症状が現れることがあることが明らかになりました。アメリカの医学誌に掲載された研究成果によると、世界16か国約2万8004人についての過去の研究を分析したところ、父親になった男性の約10%が出産の前後にうつ状態に陥ることが明らかになったそうです。さらに子どもの誕生から3~6か月の父親では、実に26%近くにうつ症状が見られたといいます。

女性が産後うつに陥る比率は10~30%と言われていますから、これは女性とあまり変わらない割合と言ってもよく、こうした男性の産後うつは「パタニティブルー」(一過性の場合)とも呼ばれています。

思わぬ環境の変化によるストレスでうつに

母親の産後うつの原因としては、産後のホルモンバランスなどの肉体的変化や、睡眠不足などによる育児ストレス、周囲のサポートの不足などが母親の精神状態を悪化させると言われています。一方、父親には肉体的変化はないものの、別のさまざまな環境の変化が原因となっていると考えられています。母親は妊娠している間に出産後に対する心の準備をすることができますが、父親は出産後に予期せぬ環境の変化にさらされて戸惑うことが多くなっているのです。

たとえば子供が生まれたことにより、パートナーである妻(結婚している場合)との関係ががらりと変化します。妻は赤ちゃんを育てるのに忙しくて夫をかまう暇はありませんし、セックスも少なくなってしまいます。また、妻が産後うつになってしまうと、楽しい一緒の時間を過ごせなくなります。

さらに、育児に奔走している妻を横目に仕事ばかりしているわけにもいかず、ましてや友人と会ったり、趣味などの集まりに参加することもできにくくなって、不満がつのります。

また、子供の誕生によって新たに父親としての役割や責任も両肩に重くのしかかってきます。子供を養うために、これまで以上にがんばってお金を稼がなければなりませんし、赤ちゃんの夜泣きなどで睡眠不足に陥ったり、赤ちゃんをどのように扱ったらよいか戸惑ってしまうことで、徐々に不安や孤独感が増大。うつ症状を引き起こしてしまうのです。

そして、うつ症状が改善しない場合は、子育てを巡って夫婦でぶつかり合う日々に陥り、最悪の場合は家庭内暴力や離婚を引き起こしてしまうのです。