発達障害を目の動きで診断

「見る」ことが苦手な発達障害児童

子どもの目の動きによって、ある種の発達障害か否かを診断する手法を大阪大学の研究チームが開発。成果を5月27日付の米オンライン科学誌「プロスワン」に発表しました。

発達障害は病気とは異なる生まれつきの特性で、自閉症、学習障害、アスペルガー症候群、注意欠如多動性障害(ADHD)などが含まれ、このうちADHDでは注意力や落ち着きがなくなる傾向が現われます。

とくに「見る力」に関しては、発達障害の子どもたちは視力は問題はないのに「見る」ことがうまくできないことが多く、学習やスポーツなどに支障が出るだけでなく、集中力や注意力にも影響を及ぼします。

素早く目を動かせるかどうかで早期診断

研究チームは、認知機能の指標となる視点を固定したり、素早く移したりする「サッカード眼球運動」という目の動きに注目し、点の表示に対する眼球の反応時間を計測するシステムを開発。ADHDと診断された5歳~11歳の37人の眼球運動を計測したところ、一般の子どもが反応速度が速くなるケースでもADHDの子どもは速度が変わりませんでした。

さらに、点の表示を変える際に一瞬だけ黒い画面を差し挟む実験でも、一般の子どもの反応時間が短くなるのに対して、ADHDの子どもは大きな変化はありませんでした。

ADHDの子どもは目の動きを司る脳のシステムのどこかに支障があり、集中して視点を固定することがうまくできないのではないかと疑われており、一般の子どもでは外界の変化を脳が覚知して、スムーズに眼球を動かすように働くのに対して、ADHDの子どもはそれがスムーズにできないのではないかと研究チームは推測しています。

これまでADHDの診断は、患者への問診などを中心に行ってきましたが、研究チームは今回の成果を科学的な診断法として確立し、早期にADHDへの治療を提供できるようにしたいとしています。