見ている夢の内容、解読に成功

夢を脳活動パターンから解読

睡眠中の脳の活動パターンから見ている夢の内容を解読することに国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の研究チームがはじめて成功。成果を記した論文が今年4月4日付け米科学誌「サイエンス」オンライン版に掲載されました。

研究チームは27~39歳の男性被験者3人に機能的磁気共鳴画像(fMRI)装置(脳の血流の変化を調べる装置)の中で眠ってもらい、頭部に装着した脳波計で睡眠状態を観察しながら、脳の血流の変化などをもとに脳活動の変化を記録しました。

浅い眠りの「レム睡眠」では夢を見ることが多いことが知られていますが、実験ではこのレム睡眠中に、夢を見たときに生じる脳波が発生するとすぐに被験者を起こして、見ていた夢の内容を口頭で報告してもらいました。そして、また被験者に眠ってもらう実験を3人とも繰り返し、10日間で1人約200回分のデータを記録しました。

実験後は、被験者が報告した夢の内容から物体や風景を表わす単語を抽出して、カテゴリー別に分類しました。

夢に現れた物体まで解読

研究グループはさらに被験者が起きている間に、夢に現れた物体や風景などのカテゴリーに対応する画像データを見せて脳活動パターンを記録。睡眠時の脳活動パターンと比較しました。

その結果、本、部屋、車、道、ビル、男性、女性などの15項目で、夢を見ているときの脳活動パターンから夢の内容を70%以上の確率で的中させることができるようになり、夢の中の物体と対応する脳活動のデータベース化に成功。これにより、睡眠中の脳活動パターンをこのデータベースと照合することで、夢に現れた物体を高い精度で解読することができるようになったということです。

夢の内容を科学的に知る技術ははじめてのことであり、今後こうした手法が想像や幻覚の解読などの心理状態の可視化に応用され、精神疾患診断などにおける幅広い応用が期待されています。

さらに、夢には色や形などのほか、身体の動きや感情などといった要素もあり、今後はそれらを含む多様な内容を解読することで、最終的には夢を映像化する技術の開発が待ち望まれています。