うつ病患者は飲酒にご注意

うつ病患者は過剰飲酒の割合も高い

昨年のわが国の年間自殺者数は15年ぶりに3万人の大台を下回わりましたが、いぜんとして高水準にあります。自殺する動機としてはうつ病が最多で、飲酒との関連も指摘されていますが、これまでうつ病と飲酒の関係については正確な調査が行われてきませんでした。

そんな中、厚生労働省が最近発表した調査結果によると、うつ病患者はアルコール依存症などの飲酒癖の割合が高く、とくに40~50代の男性うつ病患者の3分の1は飲酒状態に問題があることが初めて明らかになりました。

調査は精神科医療機関を受診したうつ病患者を対象に行われ、「健康被害の可能性が高い」あるいは「アルコール依存症の疑い」とされた患者は男性で23.2%、女性で15.9%と、一般男性の16.8%、一般女性の2.3%を大きく上回りました。とくに40~50代の男性患者の割合は32.1%ときわだって高く、実に3人に1人が「社会的・医学的に問題が生じる飲酒」とされ、中年男性のうつ病が飲酒をともないやすいことが分りました。

飲酒で自殺リスクが高まる可能性が

アルコール依存は自殺リスクを高める可能性があり、自殺者の3人に1人は直前に飲酒しているといいます。

くわえて、うつ病患者の飲酒はうつ病を治りにくくします。うつ病治療薬である抗うつ剤、精神安定剤、睡眠誘導剤などにはそれぞれに適した血中濃度があり、低い血中濃度では効きが悪く、逆に高い場合は効きすぎたり、副作用が出たりしてしまうからです。このため、治療薬の服用中にお酒を飲むと、アルコールの影響で治療薬の血中濃度が適した値にならずに、薬の効きが悪くなったり、効きすぎたり、副作用が出たりして、場合によっては危険な状態に陥ってしまう可能性さえあるのです。

ちなみに、抗うつ剤の服用中にアルコールを飲むと日常の眠気が強くなり、車の運転などにも支障をきたす恐れがあるので要注意です。