全企業にメンタルヘルス検査を義務化

「労働安全衛生法」の改正案を提出

職場における精神疾患の増加を受け、厚生労働省は労働者のメンタルヘルス対策の充実・強化を目的に、すべての事業者に労働者のメンタルヘルス検査を義務づける「労働安全衛生法の一部を改正する法律案」(労働安全衛生法改正案)を昨年の国会に提出しました。

改正案の主な内容は職場におけるメンタルヘルス対策の充実・強化と受動喫煙の防止で、このうちメンタルヘルス対策の充実・強化の概要は以下のようになっています。

  1. 医師または保健師による労働者の精神的健康状況を把握するためのメンタルヘルス検査実施を事業者に義務づけること。
  2. 事業者が行うメンタルヘルス検査を従業員は受けなければならないこと。
  3. メンタルヘルス検査の結果は検査を行った医師または保健師から労働者に直接通知され、労働者本人の同意を得ずに事業者に提供してはならないこと。
  4. メンタルヘルス検査結果を通知された労働者が医師による面接指導を申し出た場合は、事業者は面接指導を実施しなければならないこと。
  5. 検査結果を通知された労働者が医師による面接指導を申し出た場合は、申し出をしたことを理由に事業者は労働者に不利益な取り扱いをしてはならないこと。
  6. 医師による面接指導の結果、事業者は医師の意見を聴き、必要な場合には作業の転換、労働時間の短縮その他の適切な就業上の措置をしなければならないこと。

職場の全面禁煙、空間分煙を事業者に義務づけ

一方、職場の受動喫煙防止策の充実・強化 では、

  1. 受動喫煙防止のため、職場の全面禁煙、空間分煙を事業者に義務づけること。
  2. ただし当面の間、飲食店や措置が困難な職場については、受動喫煙の程度を抑えるために一定の濃度または換気の基準を守ることを義務づけること。

などがその概要となっていますが、この防止策については当初の義務規定から努力規定に変更する修正案が与野党間で検討されています。

改正案は昨年の臨時国会で継続審議されていましたが、11月16日に衆議院が解散されたため審議未了で廃案となってしまいました。しかし、次の国会で再び提出される可能性が高く、今後の行方が注目されています。