メンタルも健康診断されるようになる?

労働政策審議会の答申で法改正が進む

10月24日、厚生労働大臣の諮問機関・労働政策審議会は、「労働安全衛生法の一部を改正する法律案要綱」に対して、厚生労働省案は妥当と答申しました。

これによって、労働安全衛生法の改正案は、閣議を経て臨時国会に提出される見込みとなりました。

労働安全衛生法は、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成と促進を目的とする法律です。

今回の改正では、粉塵から労働者を守る電動ファン付き呼吸保護具を形式検定及び譲渡の制限の対象となる機器に加えること、受動喫煙防止のために職場の全面禁煙・空間分煙の義務づけ、そしてメンタルヘルス対策の充実・強化が行なわれることになります。

メンタル健診が始まる?

今回の労働安全衛生法の改正のなかでメンタルヘルス対策としては以下の点について充実がはかられることになりました。

労働者の精神的健康状況把握のための医師・保健師による検査の義務づけ

カラダの健康状況を把握する健康診断と同じように、メンタルについても検査をするということです。 この検査を実施した後のプロセスについては、次のようになっています。

  1. 検査結果は直接労働者本人に告げられる(本人の同意無しに事業者に検査結果を伝えることはない)
  2. 検査結果をうけて労働者が医師の面接指導を希望した場合の面接指導の実施を義務づけ
  3. 面接指導を申し出たことを理由とする不利益な取扱いの禁止
  4. 面接指導の結果を医師から聞き、必要な場合は労働時間の短縮、作業の転換等の適切な就業上の措置をしなければならない

メンタル健診の活かし方は?

こころの健康に対する取組みは、組織や上司の理解の程度に依存していました。「うつ病なんて言われたら出世にひびく」「うつ病になるのは本人の気合いが足りないから」といった職場風土の問題点は広く指摘されてきました。

こころの健康の問題は、ひどい場合には死に至る場合もあります。うつ病もこころの風邪といわれますが、風邪ほど早く回復できるわけではありません。

これまでは、そうした職場風土から、取り返しのつかなくなるまで本人が抱え込む、周囲がサポートできなかったのが、医師という第三者(専門家)が入ることで、変わっていくことが期待されます。

社内の人材の健康を守り、企業活動に活用していく上でも、早期発見、早期対処の手がかりとなるようなメンタル健診にしていく工夫が求められるでしょう。