自殺者急増!あなたができることは?

5月の自殺者が急増。震災の影響か?

6月20日の警察庁発表によれば、今年5月の全国における自殺者は昨年同月比547人増(19.7%増)の3329人と、2008年以降の月別自殺者数としては最多となり、震災による影響が指摘されています。さらに、昨年のわが国の自殺者総数は3万1690人と、1998年以来13年連続で3万人を超える深刻な状況となっており、各企業にも対策が迫られています。

人が自殺に至る過程にはさまざまありますが、自殺者はその寸前にさまざまなサイン(兆候)を出していることが多いとされています。自殺のサインとしては、遅刻や欠勤。仕事のミスの増加。注意力の低下。同僚とのいさかい。無気力・無関心・無感情。感情の不安定化。絶望感。引きごもり。食欲低下。アルコール量の増加。身体の不調などがあり、とくに不眠は多くの自殺者に共通するサインです。

職場などにおける自殺防止対策としては、まずはこうした自殺のサインに周囲が早めに気づくことが重要です。そのためには、全社員にパンフレットなどで自殺予防の基本的な注意事項を周知するとともに、社員が気楽に訪れられる相談部門を設けるとよいでしょう。そして、信頼できる専門機関と提携して指導を仰ぐとともに、重症な社員には専門機関への受診を勧めましょう。社員の中には相談窓口や専門機関を訪れると、会社に解雇されてしまうかもしれないと心配する人もいるので、その恐れがないことも明記しておきましょう。

「がんばれ!」などの安易な励ましは禁物

では、社員が同僚に「死にたい」と相談された場合、どう対応すればよいでしょうか。社員が「死にたい」とまで打ち明けるのは、本当に追い詰められている場合が多く、死にたい気持ちと生きたい気持ちの間で葛藤しており、相談相手の対処次第で生きるか死ぬかが決まる場合さえあるので、慎重な対応が必要です。

こうした場合は、まずは黙って相手の話に耳を傾けることが大切です。相手は話すことで自分の気持ちを整理することができ、冷静さを取り戻すことができるからです。この際、相手が話している途中で自分の意見をさしはさんで話の腰を折るのは避けたいところです。とくに「がんばれ」「たいしたことじゃない」「気持ち次第だ」などといった安易な励ましは、気力も体力も使い果たした自殺志願者には禁物です。話の途中で相手が黙りこんでしまっても、それは気持ちを整理しているためと考え、余計なことを言わずに再び話し出すまでじっと待ってあげましょう。

最終的な解決は専門家に任せるつもりで、とにかく相手に言いたいことをすべて言わせてあげることが大切です。「気持ちはよく分かります」「それは辛いですよね」など、こちらの共感さえ伝えれば、相手も話を真剣に聞いてもらっていると安心でき、話を続けてくれるはずです。

そして、相手が落ち着いた時点で、専門機関の受診を勧めてください。自殺予防の鍵は専門的な治療を受けられるかどうかです。もしも相手が専門機関を訪ねるのをためらう場合は、自社の相談窓口をはじめ、各地の「精神保健福祉センター」、保健所の「こころの健康相談」、民間の「いのちの電話」や「自殺防止センター」などの身近な相談窓口に相談することが解決への糸口となるでしょう。