うつ病患者の急増で学内相談体制を強化

教職員や学生の精神疾患が急増

厚生労働省の調査によると、国内のうつ病患者数はこの10年間で2倍以上に急増。2008年には初めて100万人を突破しました。

この傾向は教育現場においても同様で、2008年度の文部科学省の調査では、うつ病などの精神疾患で休職した公立校などの教職員数は前年度比405人増の5400人と過去最多を記録。調査を始めた1979年度から16年連続、約8倍の増加となっています。

また過去最多の8578人の教職員の病気休職者のうち、精神疾患者が占める割合は前年度比1%増の63%とこちらも過去最高を記録。急増の背景には、仕事量の増加や教育内容の変化、多様化する生徒や保護者への対応、職場の人間関係などといった教職員のストレスの増加があると考えられています。加えて、48.8%の大学では、うつ病など精神障害に関する相談が学生を中心に増加していることが日本学生支援機構の2006年の調査で明らかになっています。

早期発見のための相談窓口を開設

文部科学省ではこうした事態に対処するため、カウンセリング体制の強化といった環境整備を急務とし、これを受けた東京工業大学では従来から設置していた学内相談室に加え、民間のカウンセリングサービスを導入したメンタルヘルス相談窓口を学外に開設しました。

相談窓口では、すべての学生や教職員が、電話やメール、あるいは対面によって、臨床心理士や産業カウンセラーといった有資格者のカウンセリングを受ける事ができます。

また、大分県教育委員会でも、精神医、PTA関係者、教頭や教諭ら17人の委員からなる「学校職員のメンタルヘルス対策検討委員会」を昨年12月に立ち上げました。

2010年度から新たな対策に取り組む方針で、過去の事例やいじめ件数、不登校生徒数などについての問題点や対策を多方面から協議し、教職員の精神疾患の早期発見や治療に対応します。