厚生労働省所管の労働政策研究・研修機構の調査で、この5年間でメンタルヘルスに不安のある従業員が「増えた」と「やや増えた」と答えた企業が78%になることが分かった。また、これから「深刻になる」「やや深刻になる」を合わせると76%の企業が悪化を予想する。原因として挙げられるのは仕事の責任が26%、人間関係25%、再編や環境の変化が18%などである。
また、メンタルヘルスが原因で休職している人は主任や補佐などが55%、入社10年程度の人が25%であった。

企業の対策としては長時間労働者のケアが中心で、面談の義務づけを46%がしているものの「特に面談の措置を取らない」が35%もあり、企業による意識の温度差は大きい。
こうした中、厚労省の調べでは、昨年1年間に労働者が取得した年次有給休暇は1人平均8.4日で、取得率は過去最低の46.6%だった。企業が付与した1人平均の年休日数は2003年と同じ18日だったが、取得率は0.8ポイント低下している。
厚労省は「景気回復とリストラが相まって仕事量が増え、休みづらい状況があるとみられる」としている。

また、企業向けのメンタルへルス指針を、2000年の策定以来、初めて見直すことを決めた。現行の指針は予防が中心だが、精神疾患が増加していることに鑑み、発症後の企業の対処法を盛り込み、来年度中に新指針を策定し、企業に順守を指導していく方針だ。
新指針では、精神疾患発症後の上司や産業医の対応方法、職場環境の整備について具体策を提示し、プライバシー保護や治療後の職場復帰の受け入れ態勢についても、具体的な方策が盛り込まれる予定である。