財団法人「労務行政研究所」は、「社員のメンタルヘルス(心の健康)対策」について企業に対して初めて実施したアンケートの結果を発表した。アンケート対象企業は、上場及び店頭登録企業、上場企業に匹敵する計3952社(回答276社)。

うつ病やノイローゼ、心身症、人格障害などの精神不調を「メンタルヘルス不全」と定義し、会社に医師の診断書を提出した在職・休職者の有無などもアンケートした。

▼調査結果のポイントとして
1)メンタルへルス・カウンセリングをする企業は約42%。
2)外部専門機関等を利用した場合の費用対効果は採用した企業の1/3が認めている。
3)メンタルへルス対策が「課題となっている」と答えた企業は半数強。
4)最近3年間でうつ病や心身症など心の病を抱える社員が「増加している」と答えた企業が52%。
5)1カ月以上の休職者がいる企業は50.9%。
6)休職後の職場復帰の手順を設定した企業は4社に1社

心の病を抱える社員の最近3年間の増減傾向では、「横ばい」と答えた企業は18.9%、「減少している」は1.8%にとどまったのに対し、従業員1千人以上の大企業に限ると7割が「増加している」と答えた。
「増加」と答えた企業に、特に目立つ年代を聞いたところ(複数回答)、トップは30代で39.6%。次いで20代(27.6%)、40代(18.7%)の順。「年代に関係なく」も34.3%だった。

その対策(複数回答)については、「心の健康対策を目的とするカウンセリング」と「電話やメールによる相談窓口の設置」がともに42.4%で最多。
病気の早期発見や円滑な職場復帰に必要な「管理職に対するメンタルヘルス教育」の実施は全体で39.1%、1千人以上の企業では6割を超えたが、300人未満では1割に満たなかった。

休職後の対応で、配置転換や短時間勤務など働き方に配慮した職場復帰プログラムを設けているのは25.5%。
自社におけるメンタルへルス対策に56.9%が「課題がある」と答え、長時間・過重労働の改善や復職の見極めと復職後の支援体制、職場での心の健康管理ケアなどを挙げた。

全体として、対策の遅れが浮き彫りになった。

※ 財団法人 労務行政研究所(https://www.rosei.or.jp/) 職場ストレス増大時代―メンタルヘルス対策の最新実態に詳細情報があります。