メンタルヘルスの法知識

Q&A

Q:本人が申告してこないのでは対応の措置のとりようがない。

A:肉体的な傷病等であれば、本人の自覚もあるために、申告することができるでしょう。しかしながら、精神疾患などのこころの病は、本人も自覚できないまま進行し、深刻化する傾向にあります。

そのために、「メンタルヘルス指針」においては、
1)労働者自身による「セルフケア」
を推奨して、本人によるメンタルヘルスケアを促す一方で、

2)管理監督者による「ラインによるケア」
3)事業場内の健康管理担当者による「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」
4)事業場外の専門家による「事業場外資源によるケア」

という、他人からのケアを掲げているのです。

したがって、精神疾患などのこころの病に関しては、本人からの申告を期待するのではなく、管理監督者(上司など)が積極的に管理するべきでしょう。

その基準としては、「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」に掲げられている職場における心理的負荷評価表がひとつの参考になるでしょう。

上記判断指針は、業務と発症した精神疾患との相当因果関係を探るチェック表です。

「日常的に精神的緊張を伴う業務」の項目では、たとえば、「過大なノルマがある業務」なのか、「常に自分あるいは他人の生命、財産が脅かされる危険性を有する業務」なのかなどのチェックをします。
「発症に近接した時間における精神的緊張を伴う業務に関連する出来事」の項目では、「仕事上の大きなミスをした」「異動(転勤、配置転換、出向等)があった」「上司、顧客等との大きなトラブルがあった」などのチェックを行います。

こうしたチェックを行うことで、業務と精神疾患との相当因果関係を調べることができるということは、上記チェック項目に該当する業務もしくは出来事については、健康管理体制を充実させなければ、精神疾患を発症するということになります。

したがって、上記のチェック項目を産業保険スタッフはもちろん、管理監督者である上司なども頭に置いて、部下に対応するべきでしょう。