メンタルヘルスの法知識

メンタルヘルス対策は急務? 高騰する過労死/過労自殺の損害賠償額

事業者が過労死や過労自殺、または過労による事故等を発生させた場合、法的責任のみならず、企業としてさまざまなダメージを受けることになります。
たとえば、以下のようなことです。

(1)優秀な従業員の喪失
(2)企業内のモラルへの影響
(3)対社会的信用の喪失

(1)に関しては、過重労働をしてしまう労働者は、少なくともそれだけで企業にとって有用な人材と言えるでしょう。また、単に長時間働いているだけで、業務に関する知識も多く持ち、現場では必要とされていることが予想されます。
そうした人材が失われてしまうことで、ひとつのプロジェクトが失墜したりすることも少なくありません。

(2)のモラルへの影響ですが、一生懸命に働いていた社員が過労死などの事故を起こした際、その同僚たちはどう思うでしょうか。
会社の就労環境を改善するために行動すれば、まだよいでしょうが、働きがいをなくし、業務の手を抜いたり、転職を志向したりするかもしれません。

(3)は、従業員に対して、過重労働を強いる会社が対社会的に信用されるはずがありません。その結果、株価は低迷し、経営陣もなんらかの責任を問われることになるでしょう。

このように、有形無形の悪影響がもたらされるでしょう。

企業は、社員の健康管理のために、産業保健サービスを提供していますが、これは福利厚生のためだけではありません。社員の健康を守ることで、結果的に収益を向上させるという目的もありますがそれだけではありません。

企業は、あくまで対社会的存在であり、労働力の質の向上をもって社会に還元する責任があるのです。労働者の健康を心身両面で管理し、フォローすることに成功すれば、それだけで社会貢献できるのです。
事業者は短絡的な思考にとらわれることなく、労働者の健康管理を考えるべきでしょう。