メンタルヘルスの法知識

メンタルヘルス対策は急務? 高騰する過労死/過労自殺の損害賠償額

次に、自社の労働者に過重労働を強いたことが発覚し、営業停止処分を受けたケースを紹介しましょう。

茨城県の運送会社「井坂倉庫」の大型トレーラー運転手が、平成14年8月に、11名の死傷者を出す事故を起こしました。その後の調査の結果、運転手は、事故を起こす前月は、511時間も勤務し、事故当日3日前からは家に帰らず、73時間連続で勤務していたことが分かりました。
しかも、「井坂倉庫」の運行管理者は、運転手が極度の過労状態で正常な運転ができないことを認識していたと供述しています。 裁判では、会社に120万円の罰金、労務管理者に懲役4ヵ月(執行猶予付)が言い渡されました。

しかし、その後、平成16年7月、関東運輸局の調べにより、「井坂倉庫」が、事故の後も運転手らに超過勤務させていることが判明しました。さらに、運行記録を改ざんするなどの隠蔽工作を行っている疑いもありました。

極めて悪質であるために、関東運輸局は、「貨物自動車運送事業法(輸送の安全確保)」に基づいて、4日間の営業停止処分としました。

過労を強いることは罪に問われるのだということを肝に銘じておくべきでしょう。