◆心は脳全体が機能して生み出される
脳科学の分野では心の働きとして、「認知、運動制御、情動、記憶・学習、睡眠・覚醒、認知的意識、思考、言語、注意、感情、意思、自意識」の12種類(これらのなかには動物にもみられる働きもあります)を挙げています。

これら各々の働きを総合して発揮される心の働きは、神経細胞が集まっている「大脳皮質」で行っているということになります。
とくに、「感情」、「意思」、「自意識」の三つの働きは、人間らしさを作る「心」の要といえるものですが、やはり基本的には他の働きと同じように、外界からの刺激に対する大脳皮質の反応によるものです。

◆人の心は、意識に上る心と意識に上らない「情動」の心
意識的な、判断可能な心~これは、「前頭葉」を中心とした情報処理によるもので、前頭葉が思春期を過ぎないと成熟しないことから、大人と同じようには機能しないのです。
一方、意識に上らない、「情動」の心~これは、大脳扁縁系にある「扁桃体」を中心に、大脳扁縁系にある「海馬」や間脳にある「視床下部」も関係しています。

喜んだり、怒ったり、哀しんだり、楽しんだりという喜怒哀楽の「感情」、ヒトは他の動物よりも強く感じることができます。この感情をコントロールしているのも「視床下部」と「扁桃体」で、「扁桃体」が最終的な判断を下していると考えられるようになっています。

この「扁桃体」は、本能を司る視床下部と、記憶を司る「側頭葉」下部との間に大量の情報交換をしながら状況分析、判断をして、最終的な感情を決めています。海馬に隣接し古皮質であることから、器官の成り立ちは古く、このことから喜怒哀楽の感情は古い脳の時代にすでにプログラミングされていたことがわかります。

さらに「視床下部」は、自律神経の中枢であると同時に、「食欲」「性欲」「集団欲」などの本能が集中し、睡眠欲求など「本能的」といわれる無意識的なあらゆる欲望の中枢でもあります。