一般的に認知症になると、刺激の乏しい家の中に閉じこもる生活が多くなり、ものを考えたり判断する精神機能が衰え,最初に活動意欲が低下し、それとともに認知症の症状をさらに進行させてしまう可能性があります。

リハビリテーションとしては、大脳を刺激する訓練と適度の運動を一緒に行うことが効果的です。
認知症の初期には認知症の進行を遅らせる目的で、大脳を刺激するような訓練として

回想法、音楽療法、作業療法(家事・家庭内役割作業、手工芸・工作)、レクレーション、園芸療法、演芸療法、リアリティオリエンテーション、社会心理療法などを行います。
これらの治療は、精神機能を活発化させ、自発性、集中力や意欲面を向上させるのに効果があります。

適度の運動としては、散歩、ラジオ体操、リズム体操、民謡体操、ストレッチ体操、肩こり体操、ダンス、運動療法(筋力強化、バランス訓練、関節可動域訓練)などがあります。

とくに、体操やレクレーションは、昼夜が逆転し昼間寝てばかりいる患者にとっては運動をすることにより昼間起きている時間が増え、それとともに不眠や夜間せん妄も減少していきます。
適度の運動は生活にリズムを生み出し、徘徊、抑うつ傾向も改善してきます。うつ的な状態で顔つきも抑うつ的であった人が、適度の運動をすることにより笑顔が現れることはよくみられるところです。

基本的に大切なことの第一は、
身体を動かすリハビリテーションを行うときに、適度の運動は、楽しいこと、心地よいことであると、認知症患者の感情に訴えることが必要で、この心地よさを伴わない運動はあまり効果がないものです。いやいや行うことは精神的にもよくありません。また、抱きしめる、愛撫する、手を握るなどの身体的接触をもつことは、とくに相手が拒否しない限り積極的にやってもらいたいものです。

第二は、認知症の症状が進行し、寝たきり状態にある場合は、「座った生活」を目標にしてもらうのがよい。
座ることにより、バランス機能、心肺機能も向上し、継続により体力がついてきます。
座ることは、床ずれの予防や、座位で食事ができること、ポータブルトイレで排泄ができることなど、加えて車椅子での移動が可能になります。

第三は、リハビリテーションに限らず介護をするうえで、忘れがちですが、患者のプライドを傷つけないこと、子供扱いしないことが基本となります。