精神分析療法は患者のこころに浮かんだ一連の連想から患者のこころの奥底を分析していく精神療法です。

精神分析という治療法は20世紀初頭に心理学者のフロイトによって創始されたものです。フロイトの理論では、多くのこころの問題は患者の過去、とくに幼児期にその原因を遡ることができるとされています。そこでは、とくに母親との関係が重要で、その時期に被ったトラウマと呼ばれるこころの傷が現在の精神疾患を引き起こしているのだというのです。こうした考え方から精神分析療法では、精神疾患の背後に潜む無意識のこころの傷を、患者のこころに次々と浮かぶ一連の想像の連鎖から推測することによって、精神疾患の真の原因を発見することを目ざします。おもに用いられるのは自由連想法といわれる方法で、患者は治療者の前でこころに次々に浮かんだ一連のものごとを自由に話していき、一方治療者は患者のそうした話から彼らの過去に遡ることで、患者のこころの奥深いトラウマを発見することを目指します。

また、近年では治療者を前にした現在の患者の感情にも目を向けて、現在の感情から患者のこころの奥底を分析していくことも行われています。


精神分析療法に先立っては、まず医師あるいは心理療法士などの専門の治療者が患者と何回かの面談を行い、患者に絡まるさまざまな事項について尋ねることで、その患者に精神分析療法が適用できるかの可否についての判断を行います。このように前もって判断が必要な理由は患者によっては、自分のことを話すのに強い抵抗感を持つ人もおり、精神分析療法を用いるのがふさわしくない場合があるからです。尋ねられる質問としては、患者の仕事、家族構成、生い立ち、友人、恋人など、さまざまな事項があります。

いよいよ精神分析療法が役立つと分かった場合の治療では、治療者が患者と一対一での面接を行います。面接は週に1回くらいが適当で、患者はこころに次々に浮かぶものごとを治療者の前で自由に話していき、治療者はその話に耳を傾けます。そして、それらの話から患者のこころの奥底を分析しながら、さらにその分析を使って患者の連想をもう一段導くことで、患者のこころの深い部分へと到達し、精神疾患の原因となっているトラウマへと辿り付くことができます。一方、話している最中に患者自身がふと自分のこころの問題の原因に気づくこともあり、こうした患者のこころの問題の真の原因を発見することによってこころの病気の治療が可能となるのです。


前述したとおりフロイトの理論では、多くのこころの問題は患者の過去、とくに幼児期にその原因を遡ることができ、そこにおけるトラウマと呼ばれるこころの傷が現在の精神疾患の原因となっているのだとされています。そのため、彼の提唱した精神分析療法では患者のこころに次々と浮かぶさまざまな事項から患者のこころの奥底を分析することで、患者のこころの深い部分に存在する過去のトラウマを発見することを目指します。そして、精神疾患の真の原因となっているこうしたトラウマを発見することによって、治療者はそれに対する対策を練ることができ、治療に役立てることができるというわけです。

こうした効果から、精神分析療法は年齢を問わずさまざまなこころの病の治療に効果を発揮しており、とくにこころの深層のトラウマが発症の原因となっている社会恐怖症、外傷後ストレス障害、強迫性障害、恐慌性障害などの神経症の治療に有効となっています。