遊戯療法は遊びを用いて子供のこころの病気を治療する精神療法です。
子供は言葉が未発達なために言葉を用いて自分の思いをうまく表現することができずに、ストレスや不安をこころの中に溜め込んでいます。また、カウンセリングなどを行ってやっても、自分のこころの状態をうまく表現することができない子供に対しては、ベテランのカウンセラーでも診断が難しくなります。

こうしたことから、プレイセラピーとも呼ばれる遊戯療法では、言葉ではなく遊びの中で子供に自分のこころを自由に表現させることにより、ストレスで凝り固まった子供のこころを解き放ってやるとともに、本来のこころを取り戻させてやることを目指します。また、カウンセラーも遊びを通じて子供のこころの状態を理解することができ、こころの病気の診断にも役立てることができます。
また、遊戯療法では、子供は自由に遊ぶだけでよく、ほかの治療法のような治療に対する恐怖感もありません。

こうした遊戯療法の適用年齢としては、12歳以下の子供に効果的で、一方適用症例的には幅広いこころの病気の治療に役立っています。


遊戯療法の具体的なやり方としては、子供は遊戯療法用に用意された特別な遊戯室でプレイセラピストと呼ばれる治療者とともに遊戯を行います。
子供が遊ぶ遊戯室は子供の精神状態や人数などによってその大きさが異なり、さまざまなおもちゃや、場合によっては砂場や水遊びできる場所なども備わっています。置いてあるおもちゃの種類としては、積み木、人形、ままごと道具、お絵かき道具、粘土、ボール、楽器、鉄砲などさまざまで、安全にも十分に配慮され、なるべく自由に子供が遊べるように工夫されています。

こうした遊戯室で児童心理などを専門家とする治療者が子供を自由に遊ばせながら子供の様子を観察して行きます。遊ぶ側の子供の人数としては子供の状態に合わせて一人だけの場合と複数の場合とがあり、遊びの内容もさまざまです。そして、自由に遊ぶことで子供は遊びを介して自由にこころを表現することができ、治療者はこうした表現から子供のこころの真の状態を理解しようと努めます。ちなみに、ここで治療者に要求されるのは子供との強い精神的絆とともに、遊びを通じて子供のこころを的確に理解できる感受性や冷静さです。

また、治療者は子供の遊びに共感し、励ましてやることによって、子供に本来の自己を発見させ、自分の存在に確信と自信を持たせることができます。
こうした遊戯療法は上記のような定められた環境の中で週に1回くらいの割合で行われ、時間的には約1時間ほどを目安としています。


遊戯療法では、子供は遊びをコミュニケーションの手段として自分のこころを表現することができ、治療者はそうした子供の表現から子供の真のこころの状態を理解して、こころの病気の治療に役立てることが可能となります。

また、子供は信頼できる治療者に共感や励ましを受けることによって、本来の自己を発見することができ、自分の存在に確信と自信を持って、さらなる精神の成長を遂げることが可能となります。そして、こうした治療効果から、遊戯療法は神経症を始め、自閉症、吃音症、緘黙症、精神遅滞、学習障害などといった子供のこころの病気の治療に効果を発揮しています。