特集第5回 燃え尽き症候群

過酷な仕事が燃え尽きを呼ぶ

過酷な仕事が燃え尽きを呼ぶ燃え尽き症候群を引き起こす環境的な要因としては、働きすぎで個人生活が失われてしまったこと、期待した成果や報酬が得られなかったこと、十分な決定権が与えられないこと、周囲との絆が喪失してしまったことなどを挙げることができます。

働きすぎによる限度を超えた労働は、燃え尽き症候群を引き起こす最大の環境的要因だと指摘されています。過酷な作業、長すぎる労働時間、高すぎる目標値などの限度を超えた激しい労働が、働く人に過大なストレスを及ぼすのです。

たとえば過酷な作業は心身ともに働く人を疲れさせ、消耗させます。とくに対人サービス職などではサービス相手に感情移入する必要から、多大の感情的エネルギーを必要とします。また、長すぎる労働時間は疲労やストレスを生みだすと同時にストレスから解放される時間を奪ってしまいます。働きすぎによる個人生活の喪失も、燃え尽き症候群を引き起こす環境的要因となります。働きすぎによって個人生活が失われると、仕事人間という架空の人格が日常を支配し、本来の自分が失われてしまいます。これによって人間本来の心が疲弊して、ストレスを溜め込んでしまうのです。

もう一つの燃え尽き症候群を引き起こす環境的な要因としては、職場における理想と現実のギャップを挙げることができます。たとえば、仕事における成果や報酬が期待に反したりすると、ストレスを溜め込んで、燃え尽き症候群を引き起こす要因となるのです。

また、高すぎる目標値は、働く人に精神的プレッシャーを与えるとともに、達成できないと失望感や自責の念を生み出して、燃え尽き症候群を引き起こす環境的な要因となってしまいます。

エクササイズやマッサージでリラックス

それでは万一あなたが燃え尽き症候群になってしまったとしたら、いったいどう対処すればよいのでしょうか?

本人の知らない間に少しずつ進行していく燃え尽き症候群は、ほうっておけば消耗感や疲労感で意欲が減退。仕事や私生活に無気力になって社会生活に支障を生じる心の病です。燃え尽き症候群が進行すると、果ては飲酒や薬物などの依存症に陥ったり、仕事を失うことはもとより、離婚などの家庭崩壊や自殺にまで結びつくこともあります。燃え尽き症候群の兆候を「ちょっとした疲れさ。すぐに治って気分が晴れる」などと軽く見て、安易に見過ごしてはならないのです。

もし燃え尽き症候群の兆候を感じたら、迷わず専門医に相談して、正しい治療を受けるようにしてください。

燃え尽き症候群の治療法としては、初期のものであればエクササイズやマッサージなどでリラックスをこころがけ、精神的疲労の解消をはかります。また、仕事中毒からの解放をめざし、休暇を取って自分の時間を持つことなどで本来の自分を取り戻すことが、燃え尽き症候群からの回復につながります。

また、燃え尽き症候群による身体的疲労の回復には、休養を取り、規則正しい健康的な生活への改善が必要となります。

一方、重度の燃え尽き症候群に対処するには、専門医によるカウンセリングなどの本格的精神治療が必要となります。