こんなときは? Q&A

会社でリストラが進行中で、自分がどう評価されているか気になってしかたがない。

大学卒業とともに地元で有力な広告代理店に勤めて30数年、営業畑で頑張ってきたベテラン社員です。

管理職になってから5年経ちますが、ここ数年の雇用状況の変化や、IT化の波、若手社員のやり方や考え方に違和感を感じることもしばしばで、さまざまな場面で焦りを感じている昨今、会社の方針でリストラが始まりました。

同僚だけでなく、部下までも早期退職などの名分でリストラされる中、いつ自分の番が回ってくるかと不安で仕方がありません。
最近では眠りにつくにも多量の酒の力を借りずにはおられず、眠りに入っても浅いもので、当然目覚めも悪く、身体だけでなく後頭部にどんよりとしたかすみがかかっているような状態です。

このままではいけないと考えるのですが、自分をコントロールできないでいます。

「うつ病」とひと口に言っても個人個人によって症状も違い、多様化、かつ細分化が進みその病名も千差万別です。また、一つの症状ではなくいくつもの症状が混在している場合がほとんどです。

さてあなたの場合は、突然の会社の方針ということもあり、「急に不安が襲ってくる」不安神経症、あるいは「ある考えが頭から離れなくなり同じことを繰り返してしまう」強迫神経症などが考えられます。さらに最近の分類では「リストラうつ病」と言ってもいいでしょう。

病名が付くくらいですから同様な症状の人はかなりの数で増え続けており、診療にいらっしゃる患者さんも確実に多くなっているようです。
人生において仕事が占める比重はかなりのもので、それをある日突然に奪われる恐怖は計り知れないものです。人それぞれで事情は異なるでしょう。ある人は「家族を養うにはこれからどうしたらいいのか」ですとか、「ローンの返済はどうしたらいいのか」あるいは「老後の貯えをどうすればいいのか」などなどで、経済的な不安が人生そのものを不安なものにするのは当然と言えるでしょう。

しかし、いたずらに不安にさいなまれているだけでは問題は解決しません。自分がリストラの対象になっているかもしれないというのは、ひょっとすると、自分だけの思い込みという可能性もあります。また、そうでないとしても、ただ落ち込んでいては、事態はますます悪化するばかりですから、その状態を脱するためには、前向きに何らかの手を打つべきでしょう。

こんな場合、ひとりで思い悩むよりは信頼のおける友人なり、同僚などとあまり深刻にならずに話をしてみるのはいかがでしょう。案外同じようなことで悩んでいたりするものです。聞いてもらうことはとても「心の薬」となるものです。さらに人の話を聞くことも意外に効果的なことです。

自分だけで思い悩むのは危険です。2004年の統計ではリストラや過労が原因の自殺者が異常に増えているという状況ですが、他者との会話がもう少しあれば、防げた例も相当あったのではないかと考えられます。もちろん、人に相談したからと言ってすぐに解決するというものではありませんが、少なくともひとりで閉じこもっているよりは、はるかに有益です。とにかく、人に「自分」を語ってみること、それが何より自分を再度見つめ直す機会となるはずです。

もしそれでも不安が解消しないようであれば、専門医または公共の相談員などの門を叩くことをお勧めします。