こんなときは? Q&A

職場の配置転換で不慣れな部署に移り、うつ状態になった。

中堅クラスの建設会社に勤務する42歳の男性です。
コンピュータ部門の新設と同時に入社し、以来システムエンジニアとしてソフト開発の仕事にたずさわってきて、その責任者を務めるまでになったのですが、長引く不況とともに、コンピューター部門は閉鎖されてしまいました。まったく畑違いの営業に配属され、それでも世の中の流れだから仕方ないと自分に言い聞かせて、一所懸命頑張ってきたつもりですが、大きな挫折感はなかなか拭いきれません。

最近では、気分的に落ち込む事が多く、しばしば会社を休んだり、休日には朝から酒を飲んでは家族に当たり散らしたりするようになってしまいました。何とかしなければ、とは思うのですが、自分では焦る気持ちをどうすることもできません。

いわゆる「さびつき症候群」の疑いがあります。

「さびつき症候群」とは、優秀な能力を持ちながら、さまざまな事情からその実力を発揮することができず、気力をなくしてうつ状態になっていくもので、アメリカの研究者が1995年にはじめて発表しました。
日本の場合、バブル崩壊前には、がむしゃらに働いてきた会社人間が、精神的疲労から急に無気力になってうつ状態に陥る、いわゆる「燃えつき(バーンアウト)症候群」が多かったのが、近年では長引く不況の影響から、この「さびつき症候群」が増えてきたと言われています。

「燃えつき症候群」が仕事のやり過ぎによるものだとすれば、「さびつき症候群」は、やりたくても納得のいく形で仕事ができないために起こる症状だと言えるでしょう。

具体的には、意欲や気力が減退し、集中力の低下などから次第に自信を失っていき、ゆううつな気分に支配されていきます。そして、出社拒否になったり、最悪の場合には突発的な自殺にいたるケースもあります。

予防策として、アメリカの研究者は、
   1)仕事をひとりで抱えこまない
   2)仕事の目的を書き出してみる
   3)1日15分は自己反省する
   4)背負っている無駄な荷物は捨てる

を提案しています。

質問のケースでは、「さびつき症候群」がどの程度進行しているのか判断はむずかしいのですが、こうした予防策でも事態が好転しなければ、カウンセリングや薬物治療が必要です。
「さびつき症候群」にかかる人は、一般的には頭の回転の速い有能な人が多いと考えられるので、自分の病気やその原因に気づくことが大切です。趣味やスポーツなどで気分転換を図ったり、「仕事や会社だけが人生のすべてではない」といった発想の転換も必要でしょう。いずれにしても、早期に専門家の診断を受けることをお勧めいたします。