心の病の背景に「絆」の喪失が

現代に失われた人の「絆」

バレンタインデー(2月14日)とホワイトデー(3月14日)の中間に当たる2月27日は「絆(きずな)の日」。「きずな」の「ツナ」と「27」の語呂あわせがその由来とされ、「恋人同士の絆を深めるための日」だそうです。

「絆」は人と人との結びつきを表わす言葉ですが、メンタル面でも重要な役割を果しています。昨年は12年連続で自殺者が3万人を超えましたが、その背後には現代における社会や家族の絆の喪失が存在すると指摘されています。最近の自殺者の多くは、悩みを抱えたまま周囲から孤立し、クライシスコールを発する相手もないまま追い詰められ、自らの命を捨てているのです。

自殺だけでなく、すべての精神的病の原因には外界との絆の喪失が深くかかわりあっているといわれています。外界との絆が失われるにつれ、人間の精神は病んでいき、絆が完全に切れると崩壊してしまいます。典型的なのが子供たちに見られる自閉症で、子供の心が外界との絆を喪失して自分の中に引きこもることで引き起こされます。

絆なき家庭や職場でメンタル問題が急増

近年、社会のあちこちで人間同士の絆が失われてしまった結果、家庭や職場におけるメンタル問題が増加しています。家庭では、家族との絆が失われた結果、主婦が孤独を癒すために飲酒。アルコール依存症になるケースが多発しています。こうした主婦を「キッチン・ドリンカー」と呼んでいますが、そのアルコール依存症的イメージとは対照的に、家庭的で子育てを生きがいとする内気な主婦に多く、本人も知らないうちに依存症に陥るケースが増加しています。

精神が病んだ結果、暴力や不登校などの問題を引き起こす若者も増えています。その背後には家庭や学校における絆の喪失という問題が横たわっていると指摘されています。多くのケースで家族の絆が完全に失われており、頼る場のなくなった若者たちが暴力や不登校を引き起こしているのです。

職場における絆が失われたことで、メンタル問題を引き起こす社員たちも目だっています。近年多くの企業で成果主義が導入されましたが、結果ばかりを重んずるあまり社員同士が互いをライバル視して孤立化。さらにIT化の進展によって社内のコミュニケーションが失われたことで人の絆が失われて、孤立した社員がメンタル問題を引き起こしているのです。