メンタルジムホーム
うつ病は正しい治療を受けることで必ず治る病気であり、完治すれば発病前の状態に百パーセント戻ることができることを正しく伝える必要があります。
もともと、うつ病の治療には家族の協力がとても大切で、家族がうつ病のことを理解し、治療効果をあげる努力を一緒にしていくことが、早期に症状を軽くし、患者が楽になる最良の方法となります。

また、職場では、会社内からのサポートが最も効果的であることはいうまでもありません。とくに家族と離れている独身者では、とりわけ上司から得るサポートが重要なのです。
上司には、病状に応じて、休暇がとれるようにはからうことが最低限必要ですし、産業医がいれば患者を交えての話し合いの場をもつことが特別のことでない環境づくりをしていくことが求められます。

職場におけるメンタルへルスとして日頃から心の健康に対する関心が高められていて、職場内に相談しやすい雰囲気があり、また事業所外の医療機関や、地域保健機関とのネットワークなどをつくっておくと大変役立ちます。

●バックアップのために、家族は協力できる環境を整える
うつ病の患者に家族ができる重要なことの一つは、患者のバックアップのための協力的な環境づくりです。
うつ病の症状がすぐに軽減することを望むのは当然のことですが、患者個人のペースで経過していくことを理解しておかなくてはなりません。
1)自殺に配慮して、家庭内に危険なものを置かないようにしましょう。
2)自殺は明け方に多いので、この頃の行動に注意を払いましょう。
3)睡眠習慣の改善を心がけ、規則正しい就寝・起床時間が守れるようにしましょう。
4)就寝前の激しい運動は控えさせるようにしましょう。
5)睡眠を促進させるための工夫をしましょう。
6)不眠に悩む場合、光や音を遮断してみる工夫も効果的です。
7)ゆっくり休養できる環境を作ってあげましょう
8)アルコールやカフェインの摂取を少なくするか、控えさせるようにしましょう。
9)新しい運動を始めるのではなく、いままでどおりの運動をさせるようにしましょう。
10)無理して気分転換(旅行など)をはからないことです。
11)うつ病の人の多くは食欲が減退しますから、食物摂取に気をつけましょう。
12)可能な限りいつも健康的なライフスタイルを送れるようにしましょう。
●患者への接し方
うつ病の患者と接するときに、何よりも大切なことは自殺を防ぐことです。
うつ病にかかると、程度の差はあれ自殺を考えるといわれています。「死にたい」という言葉が出たら、決して軽く考えないようにしなければなりません。
うつ病は治る病気であることを本人に良く理解してもらい、主治医や家族と『決して自殺しない』としっかりと約束を交わすことが大切です。
あくまでも、じっくりゆっくり療養する事を心がけ、主治医と連絡を取り合って、注意深く見守ることが必要なのです。
1)今の状態を適切に医師に伝えるため、病院には一緒に行きましょう。
2)抗うつ薬を日々、きちんと服薬していることを確認しましょう
3)通院や薬の服用を続けさせるよう働きかけることも必要です。
4)症状が軽るくなっても、その後6ヵ月はとくに注意が必要です。
5)人生がいかに重要で価値のあるものかを折にふれて知らせてください。
6)治療を嫌がる場合、家族が心から心配していることを伝えましょう。
7)「大丈夫」という言葉を添えて、スキンシップをこころがけるようにしましょう。
8)“できた”小さな行動にも“ありがとう”や“とてもよかったよ”と言ってあげましょう。
9)単なる励ましではなく、心から「必ず回復する」と希望を与えましょう。
10)話を聞いたり、ただ一緒にいるだけでも安心感を与えますので、実行しましょう。
11)本人が焦っている時はゆっくりとブレーキをかけてあげましょう。
12)本人と直接対話できるような状態を確保し、質問をなげかけるようにしてください。
13)会話の内容より感情をくみ取り、共感的態度を示しましょう。
14)干渉しすぎず、放っておきすぎず、普通の接し方をしましょう。
15)本人に負担にならないような暖かいバックアップ体制を整えることが大切です。
16)患者を甘やかせすぎないためにも、何事も悪くないかのような振る舞いは避けてください。
17)患者と一緒に、比較的近い将来の予定や目標を立てることです。
18)やたら、原因を追求しないことが大切です。
19)自殺をほのめかした場合はすぐにかかりつけの精神科医に連絡してください。
(何もせずこの危機が過ぎるのを待つことだけはしないでください)
20)数週間経過しても症状が変わらない、あるいは悪化するような場合は医師との話し合いか、別のセカンドオピニオンを求めることも考えましょう。
●自殺対策
▼ひと段落のときほど危ない

その人が抱えている困難が、やっと一区切りつくことがあり、こんな時ほど自殺が起こりやすいのです。
たとえば経営者の方が大きな負債を負っていてうつ病になったとします。そして弁護士などが関わって、一応のめどが立ったのにその数日後亡くなってしまうことなどがあるのです。これはうつ病になる方はもともと律儀な人で、問題の解決のめどが立ったとき、「もうこれで周りには迷惑がかからないから、自殺しても許されるだろう」というような考え方をしがちなのです。

▼自殺を打ち明けられた場合の対応
これは誰にも大変なショックですが、医者と同じように信頼されている証拠です。絶対に話をそらしたり説教したりせず、ともかく話をよくきくことです。死にたいことを打ち明けるのは、誰か信頼できる人にこの苦しみを知ってもらい、何とかしたいという心の叫びなのです。
説教や励ましは禁句ですから、話をそらさず、十分に悩みを聴いてから、「その悩みは本当に大変だと思うよ。死にたくなるほど苦しむのは心の不調、病気かもしれないね。一度専門医を受診すべきだと僕は思うよ」などと対応するとよいでしょう。
対応の原則はあくまでも精神科をすぐに受診させることで、しかも絶対に1人で受診させないことです。

▼自傷行為があった場合
自傷行為があった場合には、救急治療を受けることが不可欠です。
救急医の中には時に、メンタルヘルスの知識に乏しい医師もいて、一見軽そうにみえる自傷行為(睡眠薬を多めに飲んだ、手首を切った)では、「命を粗末にするな」「馬鹿なことをするのではない」などと、素人同様の安易な対応がなされる場合がありますので、注意が必要です。
すぐに精神科への紹介などの対応をしなければなりません。