メンタルジムホーム
近年、職場(家庭)であいかわらず増加している精神疾患は、うつ状態やうつ病といえるでしょう。
家族関係の多様化や問題に対してうまく対処・適応できなかったり、職場環境の大きな変化や人間関係、また、職場での“努力”とそれにみあう“報酬”のバランスがなく、大きなストレスを抱え込んで、うつ状態・うつ病となり自殺や過労死が年々増加するなど、大きな社会問題となっています。
「職場や家庭でうつ」を発症したとき、見過ごさずにもっと早くケアする方法はないのでしょうか?
そして、うつを発症した人が職場に復帰するにはどうすればよいのでしょうか?
もとより、企業がメンタルヘルスに取り組むことは、社員の職場での生活を充実させ、生産性の低下や労働力の損失を防止するという大きな意味をもち、また、企業として重要なリスクマネジメントにもつながります。
これらのことをふまえて、周りにいる者ができることについて順を追ってまとめてみました。

●「うつ病」って、どんな病気?
うつ状態が悪化してくると、今までの生活がすべていやになって、マイナス思考がぐるぐると繰り返したりして、的確な判断ができなくなります。
仕事についても手慣れた仕事にもかかわらず、どれから手をつけていいのか、仕事はどれも中途半端になって、ミスも重なり、自分が無能になったような無力感にさいなまれたりします。
1)うつ病は、ストレスが原因で発症することが多く、いつでも誰でもなりうる「こころの病気」です。

2)うつ病は病気です。なによりも治療が優先され、必ず治る病気であることを認識してください。

3)うつ病の平均発症年齢は20代後半といわれます。
うつ病で気分が落ち込む期間は平均6ヶ月ですが、1年以上に及ぶこともあります。

4)精神科を受診するときには、うつ病発症からかなり時間が経過していることが多いものです。

5)うつ病は、治療が遅れれば遅れるほど、生活への障害が大きくなる病気です。

6)うつ病は一直線によくなるものではなく、一進一退を繰り返しながら徐々によくなっていくものです。

7)うつ病には自殺念慮がつきものです。病気が回復しつつあるときや悪化しているときに自殺が実行されることが多いものです。

8)毎年自殺者が3万人を超えていて、その背景にうつ病が大きな位置を占めています。自殺者のうち、精神科に受診したことがある人は1/3にすぎません。
●「うつ病」って、どんな症状?
誰もが、ときには悲しい気分や、ゆううつな気分を経験するものです。それは日常生活において当たり前のことといえるでしょう。
この悲しい気分や否定的な感情が日々の生活や仕事に支障をきたすようになり、生きる意欲までも失わせるうつ病は、自ら死を選ぶことになる危険性をはらんでいます。
全体的な症状として
1)初期症状として、よく眠れない。ご飯がおいしくない。なんとなくうっとうしい、疲れ
やすいなど。

2)外傷のある病気と異なり、うつ病の症状は「日常行動が変化しやすい」ということを認識してください。

3)うつ病の患者はマイナス思考をもちやすいことを認識しましょう。

4)がんばることが出きずに苦しんでいることも理解しましょう。

5)ですから、怠けているわけではないことも理解しましょう。

6)すべてが悪く、絶望的であると考える傾向はうつ病の症状のパターンです。
うつ病では、精神的な訴えや行動の異常よりも、身体的な訴えが前面にでてくる場合(仮面うつ病)があります。各種の検査や検診をうけても異常は発見できず、医療機関を転々とする場合があります。
うつ病になったときの、身体と精神面および行動にあらわれる症状と障害をまとめると以下のようになります。  
一部上記と重なりますが、再確認してみてください。
▼身体症状
不眠/早朝覚醒/体がだるい、疲れやすい/食欲がなくなる/便秘/性欲減退/口の渇き、立ちくらみ、発汗などの自律神経症状
▼精神症状(感情・思考)
気分が沈む、淋しい、/希望がもてない/無感動/判断力・集中力の低下/物忘れ/自責の念がつよくなる/
貧困妄想や重篤な病気になってしまったという心気妄想など
▼行動の障害
午前中は動きが鈍く、午後から改善する/外出しづらく、とじこもりがちになり、寝たきりになってしまうことも/イライラが強くなり、落着かず部屋の中をウロウロする/自殺の可能性がある など
●「うつ病」になりやすい性格の傾向は?
うつ病の直接的な原因は、脳内の神経伝達物質の代謝異常であると、生物学的に解明されつつあります。しかし以前からの研究で、うつ病になりやすい性格が指摘されています。
たとえば、
1)几帳面で責任感が強く、律儀であるといわれる人

2)頼まれれば断ることができず、仕事を一人で引き受けてしまい、他人にまかせられない人

3)まわりにたえず気配りし、周囲の評価を気にする

4)自分流にこだわり、完璧を求め、仕事が総ての完全主義者
これらの性格は、従来は職場において模範的な性格として評価されてきました。うつ病になりやすい性格と否定的にとらえるよりも、むしろ肯定的にとらえられるべきともいえます。

●「うつ病」の治療方法は?
うつ病で大切なことは、休養です。それもたっぷりと休むことが基本です。それと早期に治療を開始するほど、回復がはかどります。「うつ病は治る病気ですから、今は苦しくても、必ず治ります」と、安心感を与えるのも大きな治療効果になります。
1)うつ病には薬物療法として、抗うつ剤がよく効きます。抗うつ剤には多くの種類があり、症状により使い分けが行われます。

2)「認知療法」という精神療法があります。これは、認知のゆがみ(ものの見方、考え方の偏り)を修正する治療法です。
最近、日本でもうつ病に「薬物療法」とこの「認知療法」を併用することもすこしずつ増えてきています。

●「うつ病」の現実
1)うつ病の診断に当てはまりながら、治療を受けていない人が約150万人もいるといわれます。

2)治療を受けない理由として、「心の病気かもしれないと思いながら、忙しいとか、精神科に行きにくいと感じている」、また、「調子が悪いとは思っていても、心の病気とは気づかない、あるいは、調子が悪いということにも気づかない」場合もあります。

3)自分の病気がわからない理由として、「心の病気についての知識がない」とか「心の病気であることに気づきにくい」ということがあります。

4)「眠れない」「元気がでない」というように、調子が悪いということはわかっていても、「仕事のことが心配で眠れないだけだ」と考えてしまって、うつ病に気づかないこともあります。